2010年11月18日(木)の朝日新聞に、高齢者の自動車保険料を値上げする旨の記事が掲載されました。

 【記事の概要】

  1. 損害保険大手各社は来年度から、自動車保険に「60歳以上70歳未満」や「70歳以上」などの区分を導入し高齢ドライバーの保険料率を引き上げる方針を固めた。
  2. 損保ジャパン社は2011年4月、東京海上日動社は2011年7月始期契約から保険料率を引き上げる。
  3. 三井住友社も導入を検討しており、他社も追随する可能性が高い。
  4. 各社の引き上げ幅は検討中だが、損害保険料率算出機構*1 は昨年7月に発表した「参考純率*2 」において、全体を5.7%を引き上げると共に、年齢を10歳ごとに分け、「60歳以上70歳未満」や「70歳以上」の参考純率を大幅に引き上げた。
  5. 参考純率をそのまま適用すると、10等級、対人・対物:無制限、車両保険金額150万円、運転者家族限定ありの契約条件で、年間10万円保険料を払っている契約の場合、26歳以上30歳未満は3千円程度増え、60歳以上は6千円程度増える見通し。

 この記事に関する事実関係は以下の通りです。

本記事は損害保険料率算出機構が参考純率において導入した「記名被保険者年齢別料率」に関し、各保険会社の導入の動向について報じた記事です。各社共2011年度に本制度を導入予定ですが、具体的な料率水準についてはまだ決定していません。

 つまり、各保険会社の高齢者に対する自動車保険料が2011年4月以降値上がりすることはほぼ確実ですが、具体的な日程や実際にいくら値上がりするかについてはまだ決定していないと言うことです。

 現在若年層の自動車保険料が高くなっていますが、これは若年層における事故率が高いことによるものです。従って、高齢者の自動車事故が増加している昨今において、高齢者の自動車保険料が値上がりすることは相互扶助の考え方で成り立っている保険の公平性上やむを得ないと言えます。

 本件については、今後詳細な情報が分かり次第、順次お伝えしていきます。

◆損害保険料率算出機構の自動車保険参考純率説明資料(PDF)
    http://www.nliro.or.jp/disclosure/s_aramasi/jidosha_s.pdf

 

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(注)
  1. 損害保険の健全な発展を図るとともに、契約者の利益を保護することを目的として、「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づき設立された中立の機関です。各保険会社のデータを収集し、自動車保険・火災保険・傷害保険等の参考純率(純保険料率)を算出し、各保険会社に提供しています。 []
  2. 保険料率は「純保険料率」と「付加保険料率」からなっています。「純保険料率」は事故が発生したときに保険会社が支払う保険金にあてられるものであり、「付加保険料率」は保険事業を営むための経費等からなっています。損害保険料率算出機構ではこのうち「純保険料率」を算出し、使用義務のない参考値として各保険会社に提供しております。これを参考純率といいます。 []