北朝鮮による韓国砲撃と海外旅行保険の補償
- 2010年 11月 24日/Last modified 2012年 9月 21日
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11/23に発生した北朝鮮による韓国(延坪島)への砲撃において現在のところ邦人被害は報道されていませんが、今回のケースを例にとってこのような事態における海外旅行保険の補償関係についてまとめておきます。
1.今回の砲撃によりケガをされた場合の補償
海外旅行保険では、「戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変*1 」に起因する傷害や死亡については補償対象外と規定されています。従って、北朝鮮による韓国(延坪島)への砲撃は「戦争」には該当しませんが、「外国の武力行使」に該当するので、今回の砲撃に巻き込まれてケガをしたり死亡した場合については、保険金の支払対象となりません*2 。
このようなケースを補償対象とするために保険料を追加して支払う「戦争危険担保割増」というオプションがありますが、このオプションを付帯していれば今回のケースでも保険金の支払い対象となります。但し、この「戦争危険担保割増」を引き受けてもらえるかどうかは、各保険会社の裁量によります。また、情勢の変化によって割増される金額や引受方針が変更となります。
2.今回の砲撃を理由に旅行を取り止めた場合の「旅行変更費用担保特約*3 」の取扱い
海外旅行保険のオプション(特約)として、親族の死亡・入院や自宅の火事など一定の理由で旅行を中止せざるを得なかった場合の旅行会社へのキャンセル費用や、途中で緊急帰国する場合の帰国費用を補償する「旅行変更費用担保特約」があります。この「旅行変更費用担保特約」は、渡航先もしくは経由先における「戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変、暴動またはテロ行為」を理由とする場合も補償の対象としています。
従って、韓国・北朝鮮が渡航先または経由先となっている時は、「旅行変更費用担保特約」を付帯していれば、今回の砲撃を理由に出国中止した場合のキャンセル料や中途帰国した場合の帰国費用は保険金の支払対象となります。
但し、11/23(火)に砲撃が発生しているため、保険料領収日または契約日が日本時間において11/24(水)以降となる契約については、今回の件を理由とする取消料・帰国費用は責任期間外となり、補償されません。
3.保険期間の自動延長の取扱い
「外国の武力行使」は期間延長の適用理由には該当しませんが、乗客として搭乗しているまたは搭乗予定だった航空機・船舶・車両等の交通機関*4 の遅延または欠航、運休、空港閉鎖等に該当すれば、保険責任の終期が特別な手続なしに自動的に延長されます。
尚、ほとんどの保険会社では、自動延長の期間を特別な場合を除き「72時間限度」と定めています。
ちなみに、2010年4月にバンコク(タイ)で反政府デモがありましたが、こちらについては上記いずれのケースも補償対象となります。また同じく4月に起きたアイスランドでの火山噴火についても、上記いずれのケースも補償対象となります。
世界中がずっと平和であることを祈りつつ、ペンを置きます。
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(注)
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